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なぜ僕は音楽を続けるのだろうか 20210821

更新日:2021年9月11日

ふと、何でこんな思いをしてまで音楽を続けるのか、まじめに考えてみたことがある。

きっかけは中学時代のBUMP OF CHICKENとの出会いなんだけど、その初期衝動が消えることなく、今の自分を突き動かすまでの言動力はいったいなんなのだろうか。

答えはきっと単純で、

誰よりも音楽の内側に立っていたいんだと思う。

きっとライブに足を運んだことがある人ならば、誰もが経験したことがあるだろうけど、ライブって本当に素晴らしい。

あぁ今日この日の為に生きてきたんだな。

この日のこの感情と出会うために、今日までの辛い日々を乗り越えてきたんだなと、大袈裟ではなく心からそう思う。

だけどいつも思うことがあって、

こんなに感動して、こんなに興奮して、こんなに気持ちよくなって、世界で今自分が一番幸せなんじゃないかと錯覚するほど音楽に没入する。

あのライブ空間の中で、ふと我に帰る瞬間が訪れる。

さっきまでの快楽には先があると思い知る。

例外はあるだろうけど、僕が足を運んだライブは往々にして、間違いなく、演者がその場の誰よりも興奮し、感動し、快楽を得ている。

自分達が作り上げた形のない音の世界の中で、唯一にして完全に内側に立っている。

あぁこの先を知りたいんだなと、飛び跳ねながらいつもライブの快楽の中でそんなことを考える。

話が逸れるけど、

昔から仮面ライダーとか、漫画、アニメなどの空想話が大好きだった。

現実に起こり得ないことが次々起きて、その世界の中でそれぞれの物語のキャラクター達が躍動する。

そして物語は必ず終わる。

終わりに向かって続いてると言っても過言ではない。

それが無性に寂しかった。

置いていかないでほしかった。

全てのエンタメは、興奮と感動、そして終焉と寂しさがあった。

その前提を変えたのが音楽であり、ライブ体験だった。

CDを買って音源を聞く。

MVを見る。

カラオケで真似をしながら歌う。

どの行為も日常を一時的に忘れることができたし、アーティストの物語は創作物と同じく、のめり込んで追いかけたくなる求心力があった。

そして何より心を打たれたのは、

ライブが終わった後、僕らはそれぞれ生活に戻り、現実に帰るわけだけど、彼らアーティストの生活もまた続くということ。

この事実に何よりも心が震えた。

ありきたりな言葉だけれど、

今日という日、今という瞬間に巻き起こった音楽体験の全てが二度と味わうことのできない体験だということ。

そして、終わった後も、音楽は続くということ。

僕が会場を出て、くたびれた身体を必死に家路に運ぶ時、今日あんなに輝いて音を奏でてた彼らは僕以上にくたびれながら帰り支度をしているだろう。

明日明後日明明後日と日々を重ねて、またライブ会場で会えるだろう。

その時はお互い同じ量の今日を、今を超えてまた会える。

非現実的な体験や経験が、現実に根ざし、現実と繋がる。

音楽やライブ体験の魅力を考え出したらキリがないが、この感情の更に上が、僕の場合は音楽の内側で生きるということなんだと思う。

音楽に出会って、ライブ体験をして、何気ない今日も、嫌いなあいつと過ごす今日も、かけがえのない今日も、全部繋がってるんだなと、再確認することができるようになった。

僕の今日が、いつか僕の音楽を好きと思ってくれる人たちと、一緒に感動できる今日に繋がりますように。

そんなことを本気で考える。

まだまだ諦めてはいられない。

どの瞬間の今も大事に、感謝して、サボり手を抜き、いつかそんな今と出会えますように。


そんな今と出会うため、きっと僕は音楽を続けているんだ。


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