職業:人間 役職:自分 20210806
自分って一体なんなんだろう?
何がしたくて、何が好きで、どんな性格で、どんな人物なんだろう?
全部、何もかも知っているようで、実は色んな事を忘れていたり、知らないままでいることもある気がする。
近すぎて見えなくなっていることや、当たり前すぎて忘れたまま思い出せなくなったりしていることもきっとたくさんあるんだろうね。
けどそれって、ちょっと怖いことで、結構悲しいことな気がする。
性格も、考え方も、細胞も、変わらないものはたくさんあるんだろうけど、その逆もまたたくさんあって、変わってしまったものの中に、過去の自分がすごく大切にしていたものがあったりする気がする。
年齢や環境や生活、どうしたって変化することに抗えないこともたくさんあって、目まぐるしい変化に適応できるように、「進化」のための「変化」を余儀なくされることは多々あると思う。
だけど、その進化の過程で捨ててしまったもの、不要になったもの、不要だと決めつけてしまったものもたくさんあって、自分の中から消えてしまったもの中に、成りたかった自分の核があったりしたら?なんて考え始めると本当に怖くてたまらない。
こういう表現をするのはあまり良くないことかもしれないけど、僕は今生活のために仕事をして、お金を稼いでる。
そうじゃない人もたくさんいるんだろうけど、自分と同じように、生活のために仕事をしている人の方が圧倒的に多数派だと思う。
極論を言えば、宝くじで数億円が当選すれば、今の仕事は間違いなくすぐに辞めると思う。
生活のための仕事に日々の大半を使っていると、当然「仕事中の自分」でいる時間が生活の大多数を占めて、いつの間にか「本当の自分」の軸が「仕事中の自分」の軸に変化してくる。
僕の場合、怒られないこと、失敗しないこと、効率的であることや、建設的であることなど、その他もろもろ。
そんな「仕事中の自分」の軸を作るために消えていったものや、捨ててしまったものは数多くあって、ふと我に帰った時に、自分ってこんな人間だったっけ?なんて他人事のように思って、急に不安になったり悲しくなったりする。
そんな自分だけど、中学生の頃からずっと変わらず持ち続けている軸もやっぱりあって、それが音楽だから、今もこうして音楽活動を続けてる。
BUMP OF CHICKEN を初めて聞いた時、自分もバンドをやりたいと思い、ドラムを始め、
RADWIMPSの音楽を知って、自分も曲を作ってみたいと思い作曲を始めた。
ONE OK ROCK のライブを生で体感して、自分もいつかこんなステージに立ってみたいと思い、米津玄師の存在を知って、一人で音楽制作の全てをこなせるよう目指した。
形は変われど、自分の中には常に音楽という絶対的な軸があった。
音楽家なんてものを志さなければ、こんな思いせずに済んだのだろうか?なんて考えたこともあったし、比較して自分の未熟さが浮き彫りになるのが辛くて、大好きなミュージシャンの曲が聴けなくなったりすることもある。
いいことばかりじゃばいけど、それでも、やっぱり自分は音楽があったからこそ今日までなんとか生きて来れたと思うし、音楽家を志しているからこそ、なんとか明日に希望を持てていると思う。
「やりたいことをやるべきだ」とか、「何か一つ夢中になれることを見つけるべきだ」とか、そんな事を言うつもりは微塵もなくて、正直やりたいことも夢中になれることも、無くたって構わないと思ってる。
ただ、僕もあなたも、家で一人になった時、休日の何も予定が無い日や、仕事が終わっていつもより早く家に着いた時、僕らはもっともっとワガママでいいと思うんだ。
自分の内側に膨大な宇宙を膨らませて、とにかくその中を潜って泳いで走り回る。
その宇宙に制限もキャパも作らないで、とにかく自分の「好き」や「したい」を詰め込みまくる。
浴びるようにアニメを見たり、泥のように眠ったり、とにかく美味しいものを食べまくったり。
それが自分にとっては音楽を創ることだったりする。
場合によっては、「そんなことしてる暇あるの?」とか「やめた方がいいよ」とか耳が痛くなるような声が聞こえることもあって、うまく自分の宇宙に没入できなくなることもある。
だけど、今この社会を生きる大半の人たちは、ものすごく丁寧に、真面目に、上手に、社会を生きる人間としての職務を全うしていると思う。
週5の「仕方なく」で溜まるストレスは、週2の「やりたい」では普通解消できないと思う。
だからこそ、「本当の自分」でいられる時間はもっとワガママに、もっと自由にいていいと思う。
そしてその時に大事に思ったことや大切にしたいと感じたものは、絶対に捨てずに、忘れずに持っていていいと思う。
捨てそうになったり忘れたりしそうになった時は、自分の宇宙に潜るときに取り戻せばいい。
他の誰かになる必要なんてないし、自分を変える必要も無い。
自分らしく、自分が求める自分になれれば、それが一番素晴らしいことなんじゃないかって今は思う。
その為に必要な努力は惜しまず、他人と比べず楽しんで。
そんな風にこれからも、音楽と、生活と、向き合っていこうと思う。