負け癖上等。ダメでもともと。20210910

何かの本で見たのか、直接聞いた話だったか忘れたけど、「負け癖をつけちゃ駄目だよ」みたいな言葉に触れた記憶がある。

その時多分ピンと来なかったんだろうけど、今もその言葉には全く心が動かない。

それは多分、もうすでに自分には負け癖がついているからだろう。

生まれてこの方、勝ちの数より負けの数が圧倒的に多く、どこかで自分はそういう人間なんだと折り合いを付けたのかもしれない。


小学生の頃、自分は短距離走が得意だった。

学年で一番とかではなかったけれど、小さいながらに自分の中で確立された一つのアイデンティティだったと思う。

そのアイデンティティが一瞬にして崩れた瞬間があった。


僕は小中学校時代は野球をやっていたんだけど、小学4年の時に野球の練習試合で、大腿骨(太ももの骨)を骨折するという大怪我をした。

全治半年。1ヶ月半の入院。学校も登校できなくなり、病院のベッドで毎日激痛と手術の恐怖に怯える日々を過ごした。


全治半年までの詳しいことは、それだけで長くなりすぎるので、今回は割愛する。

足の回復までの日々も地獄そのものだった訳だけど、完治してからの日々もまた地獄が続いた。


怪我が完治し、思い通り歩けるようになり始めた頃、学校にも復帰し、みんなと同じように体育の授業にも参加できるまでになっていた。

その日の授業は50メートル走だった。

何本か走り、タイムを順番に測っていくみたいな内容だったと思うんだけど、僕はかつて自分のアイデンティティとすら思っていた短距離走で、心がズタズタに折れた。

走り始めると、足が重くて前に進まない。

バタバタと不恰好で大きな足音が自分の真下から聞こえてくる。

そして自分の視界に映し出されていたのは、僕より早く走る同じクラスの女の子の姿だった。

今思えば、寝たきりの状態から短距離走を走れるようになるまで回復したことを、まず喜んでもよかったんじゃないかと思えるけれど、当時は全くそんなことも思えず、ただただ足が遅くなった自分に絶望するしかなかった。

走り終わった後、大声で泣き出したかった。

クラスのみんなに変に思われたくなかったから、必死に感情を押し殺して、平然を装った。

そこからの日々は散々で、復帰した野球も全く思う通りにプレイできなくなり、ポジションも打順も成績も、みるみるうち悪い方へ。そのまま逃げるように少年野球チームを辞めた。

中学は仲のいい友達とお遊びみたいな野球部を立ち上げて、そこで3年間ダラダラと遊んで過ごした。


絶対に負けたくないもので、負け続けた少年時代を過ごした結果。

負けることが当たり前になっていた。

それを当たり前だと割り切らないと心がおかしくなると思った。


負け癖が治らないのは音楽を始めてからも同じで、僕は音楽を初めてかれこれ10年くらい経つんだけど、今のところこれといった勝ちを経験したことは一度も無い。


順位がつくライブや、オーディションで結果を残したことは一度もないし、通っていた音楽学校の成績は最下位。

音源を作れば大赤字だし、今のところ完全にお先真っ暗状態。

はっきり言ってセンスも才能もないんじゃないかと思う。


だけどね、これだけは言いたい。

負け癖も、負け続きの人生も、悪いことばっかりじゃないと思うんだ。


何かやりたいことがあったり、叶えたい夢があるなかで、一番大事で一番難しいことは「続ける」ってことだと思う。

そんで二番目に難しいことは「始める」こと。


何か夢や目標があっても、失敗したらどうしようって不安になるし、いざ始められても今後のことを考えると不安になる。

だけど負け癖は最強で、そもそも勝てるなんて、成功するなんて思ってないから、物事を始めやすい。

成果が出なくても落ち込まないから続けやすい。

なんか超ダメ人間みたいだけど、ずっと負けたままで人生が終わるとも思ってない。

きっと愚直に続け続けることで、どっかでミラクルが起きて、逆転満塁ホームランを打てる日が来ると信じているからこそ、負け続きのまま今日もバットを振っている。


HPが0になっても動き続ける人間は最強だからね。

倒れても倒れても当然のように立ち上がって、また活動を続ける。

今後どれだけ負けたって、倒れたって、いつか両手あげて万歳できるその日のために挑戦はやめない。

そしたらいつか小さな勝ちが少しづつ増えていくかもしれない。

最近僕にも小さな勝ちが一つあった。


当時の自分のためにも、似たようなことで悩んでるどこかの誰かのためにも、身を持ってちゃんと勝ちを体現したうえで、もう一度声を大にしていつか叫びたい。

負け癖上等!ダメでもともと!



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